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1年先の商品の値段を今決めて取引する

先物取引の「先物」とは文字通り「先のもの」を意味しており、1年後などの将来に商品と代金の受け渡しを約束する売買取引のことです。

そのときに売買をする金額を現時点で決めておくことで、将来の値段よりも安く買えたり、高く売ったりすることができます。

例えば、商品の先物取引では「1g=4,000円」の純金を、1年後に1kg買う権利は400万円で購入できますが、実際に純金が1年後に「1g=5,000円」になっていても、1kgの純金は400万円のままで購入できます。購入後に500万円で売れば、100万円の利益です。

また、1年を待たずとも、先物取引の権利自体を転売することが可能です。

6カ月後に金価格が「1g=4,500円」に上がったため、400万円で1年後に買う権利を450万円で売却することもできます。

一般的にお店で商品を買うときは、物とお金を同時に交換するので「現物取引」と呼びます。

先物取引も値段を決めて、売買契約を結び、物とお金の交換が行われるまでは現物取引と一緒ですが、商品の受け渡しが将来に行われることが、現物取引と先物取引の大きな違いです。

売買契約だけであれば効率的に取引できる

先物取引は未来の取引ですので、契約を交わした時点で現物の譲渡はしません。

例えば、3,000万円分の大豆を先物取引として売買するとき、その場で原油を渡しませんし、現金3,000万円も必要ありません。

通常は売る側は大豆を取引する売買契約書を発行し、買う側は商品の売買金額の5~10%くらいを証拠金として、証券会社に預けるだけです。

投資商品は「3%のリターンで上々」と言われていますので、先物取引ではハイリスク・ハイリターンな取引が行われています。

商品先物の価格が変動する理由

予想が当たればハイリターンですが、上がるか下がるかが50%の確率であれば、ハイリスクな結果も待っていることになります。

そのため、先物取引を始めるのであれば、その商品の需要と供給のバランスが崩れる原因や商品価格の変動要因を認識してなければいけません。

商品取引所で売買されている商品は、ほとんどが海外から輸入されているものなので、為替が変動すれば、輸入価格も変動します。

円高になれば価格は下落し、円安になれば価格が上昇するのが一般的です。

また、為替動向と同じくらいに気象条件も価格に影響します。近年の異常気象は地球規模で経済に影響を与えるほどです。

豊作で価格は下落し、不作で価格は上昇するために注目すべき要因になります。

さらに戦争、紛争、内乱などの国際情勢も価格を大きく変動させます。

中東諸国で問題が起こると必ず、原油の価格がぶれますし、原油高になるとインフレが起こりやすく、商品価格を押し上げていきます。

もちろん、株式投資や外国為替もさまざまな事象が絡んで、価格が決定されていきますが、それらは現在を軸に買って、自分で最適なタイミングで売ることができます。

一方、先物取引は初めから売るタイミングが決まっていますので、現時点で売るタイミングまでを見据えた一段階上の金融商品と言えます。